福祉読書365

福祉に関連する書籍を365冊セレクトします。「もっと良い本があるよ!」という方、ぜひ教えてください。

No.003 丸山正樹『デフ・ヴォイス』

 

デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士 (文春文庫)

デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士 (文春文庫)

 

 

 

ミステリ小説の形式をとりながら、知られざる「ろう者」の世界を描いた一冊。単なる「耳の聞こえない人たち」の集まりと思ったら大間違い。それは規模こそそれほど大きくないが、マジョリティである「聴者」の世界と対等に存在する、もうひとつの見えざる世界なのである。両方の世界を往還できるだけに、ろう者と聴者をつなぐ「コーダ」としてその狭間を生きざるを得ない、主人公の切なさが忘れがたい。