福祉読書365

福祉に関連する書籍を365冊セレクトします。「もっと良い本があるよ!」という方、ぜひ教えてください。

No.024 ドリアン助川『あん』

 

([と]1-2)あん (ポプラ文庫)

([と]1-2)あん (ポプラ文庫)

 

 

 

少し前に『いのちの初夜』を取り上げたが、ハンセン病を知るための入口としては、こちらが先のほうが良いかもしれない。ちなみに映画にもなっているので、そちらでご覧になった方も多いのではないか(樹木希林さんの演技が絶品)。読んで改めて思ったのは、差別というのは世の中に開いた亀裂のようなものだということ。普段はハンセン病や「部落」や障害者のことを意識していない人ほど、いざ、その存在に触れるとあたふたし、覆い隠していた感情の裏側があきらかになる。寝た子を起こすな、という人もいるけれど、100パーセント情報を遮断することはできないのだから、やはり知る以上はしっかり知ることが大事なのだろうな、と思う。ラストシーンは小説と映画でだいぶ違ったけれど、徳江さんの手紙をしっかり読ませた以上、小説はあのラストしかなかったのだろうな、と感じた。