福祉読書365

福祉に関連する書籍を365冊セレクトします。「もっと良い本があるよ!」という方、ぜひ教えてください。

No.026 呉秀三・樫田五郎『精神病者私宅監置の実況』

 

【現代語訳】呉秀三・樫田五郎 精神病者私宅監置の実況

【現代語訳】呉秀三・樫田五郎 精神病者私宅監置の実況

 

 

 

かつての日本で実際に行われていた「私宅監置」の実情を、100例以上にわたり調査した渾身のリポート。「私宅監置」とは聞きなれない名前だが、分かりやすくいえば国公認の「座敷牢」。「精神病者監護法」という法律に基づいて、精神障害者を「私宅」に閉じこめることが、合法的に行われていたのである。中には足に鎖をつけられていたり、入浴もせず、服も洗ってもらえず、糞便垂れ流しの環境に何年も閉じこめられている人もいたという。「我が国何十万の精神病者は、実にこの病を受けた不幸の他に、この国に生まれた不幸をも二重に背負わされているというべきである」(p.334)という著者の言葉が、重い。