福祉読書365

福祉に関連する書籍を365冊セレクトします。「もっと良い本があるよ!」という方、ぜひ教えてください。

No.027 上野千鶴子『近代家族の成立と終焉』

 

近代家族の成立と終焉

近代家族の成立と終焉

 

 

 

日本の福祉は、高齢でも障害でももちろん児童でも、「家族」の存在が前提となっている。その「家族」が、現代日本ではゆらぎ、解体していると言われている。だが、そもそも巷間言われる「家族」は、そんなに普遍的で一般的なモノなのか。本書は、当たり前と思われている世間一般の家族像が、実は近代という時代特有のものであったということを、女性学、社会学文化人類学などの知見を踏まえ多角的に明らかにした一冊だ。となると、時代の変化が家族の変化に投影されるとして、問題は、これからの日本の「家族」がどこに向かっているのか、ということだろう。最近の著者の「主戦場」であるケア論や「おひとりさま」論は、そうした問いに対する答えなのかもしれない。