福祉読書365

福祉に関連する書籍を365冊セレクトします。「もっと良い本があるよ!」という方、ぜひ教えてください。

No.049 井上理津子『さいごの色街 飛田』

 

 

さいごの色街 飛田 (新潮文庫)

さいごの色街 飛田 (新潮文庫)

 

 

 

体裁はあくまで料亭。だがその実態は、あからさまな管理売春。他のどの風俗街にもまして、ホンネとタテマエ、オモテとウラが複雑に重なり合うこの「色街」を、よくぞここまで取材したものだ。10年以上にわたり、「料亭」の経営者、そこで働く女性、客として訪れる男性、ほかにも多くの関係者から広く深く話を聞き出すうちに、著者自身もまた飛田の混沌とした魅力に憑りつかれてしまったのかもしれない。面白半分のフーゾク紹介にも、お涙頂戴のドラマにもならず、現代日本の「遊郭」に真摯に向き合い、そこで生きる人々の姿をしっかりと捉えた力作ノンフィクション。