百円読書(税別)

百円で買った本を読み、ノートします。

#4 中村靖彦『ウォーター・ビジネス』★★★

f:id:hachiro86:20181212203857j:plain

人は石油がなくても生きていけるかもしれないが、水がなければ生きていけない。にもかかわらず「地球上に存在する水を風呂桶一杯の水と仮定すると、人間が自由に使える水はわずか一滴」(p.24)。したがって、水をめぐる問題は今も世界中で起きているし、これからますます増えていくだろう。

初版2004年だが、ボトル・ウォーターをめぐるウォーター・ビジネスの拡大から、水資源の争奪や過剰取水の問題など、今も続く水をめぐる課題を的確にまとめている。最近、それほど大騒ぎになることもなく国会を通過してしまった水道法改正に関しても、水道民営化について一章を割いて論じており、そこには水ビジネスがらみで必ず登場してくるヴェオリア社の日本オフィスも載っている。

水は食料の生産にも使われる。日本よりずっと降雨量の少ないアメリカでは、地下水をくみ上げて灌漑に使っている。そうやって作られた穀物が家畜の餌に使われ、日本人の口に入るのだ。牛丼一杯が作られるのに使われる水の量はなんと2トン。食糧輸入大国である日本は、豊かな降雨量にもかかわらず、水の輸入大国でもあるのだ。